筑波大学 応用理工学類 編入試験2020
こんにちは。筑波大学・応用理工学類の編入試験について色々書いていこうと思います。
僕は、関東の高専の化学科で、2020年の筑波大学・応用理工学類の編入試験を受けて合格しました。今は筑波大の3年生です。
化学を選択する人は少ないので、その辺も参考にしてくれたら嬉しいです。
過去問はメルカリで販売しています。
今回の記事はまず、みなさんが一番気になるであろう編入試験の本番(1日目:学力筆記試験、2日目:面接)について書こうと思います。
全体
応用理工学類の編入試験では
- 数学1
- 数学2
- 物理学1(力学)
- 物理学2(電磁気)
- 化学1(物理化学)
- 化学2(有機化学)
の6つがあり、数学は両方とも必須で、物理2つ、化学2つの合計4つの中から2つ選択します。僕は力学と有機化学を選択しました。
応用理工学類を受験する人は、だいたいが電気電子・機械系などの人が多いです(受験者50人中、物理選択が40人いたのに対し、化学選択は5~8人でした)。
1日目
学力試験の内容について書いていきます。
まず、試験前ですが、ホテルに泊まる人、家から行く人など、色んな人がいますが、絶対に会場の下見は行きましょう。筑波大学は端から端まで歩くと1時間かかるので、試験に遅刻しないためにも下見には必ず行きましょう。
まず、建物の入り口で、受験票を見せて教室に入り、待機します。トイレも行っておきましょう。
9:30になったら説明が始まります。
10:00から試験開始です。問題用紙は1cmくらいの罫線が入った紙が配られます。名前・受験番号を書く時間は試験時間とは別で与えられるので、間違えないでゆっくり書きましょう。
試験時間は全部合わせて150分です。配分を自分の中で決めておきましょう。
数学1
曲面に関する問題が出ました。
反比例の曲面に関する微積分。
(1)接平面
(2)別の平面と曲面の最も近い座標
(3)原点を端点とする一辺の長さが2の立方体とで切り取られる領域のうち、原点を含まない方の体積
(2)は求める点をと置いて、点と距離の公式で関数を作ります。あとはその関数の最小値を求めるだけです。偏微分、ヘッシアンを使う方法でもできると思いますが、3関数の相加相乗平均の関係を適用すると楽に解けます。
数学2
(4)行列の対角化を利用した連立3元1階微分方程式
(5)行列の指数関数がかかった2階連立微分方程式。地獄。
(4)は対角化して、別の変数ベクトルを用意してやれば解けます。この手の連立微分方程式は応用理工学類ではめちゃめちゃ出てくるので何も考えなくても解けるくらい練習しましょう。
(5)は行列の指数関数は、テイラー展開をしてから、行列を代入して計算します。僕はこのとき行列の指数関数を始めてみたので全く分かりませんでした。とりあえず対数をとって、計算を適当に進めて部分点を狙いに行きました。
物理学1(力学)
サイクロイド振り子のエネルギー保存に関する問題
(1)曲線の傾きがであることを示す。
(2)弧の長さをの関数で表す。
(4)運動方程式からエネルギー保存則を導く。
(1)は媒介変数の微分、(2)は媒介変数の長さの積分、(3)は斜面の傾きがであることを示して、力をで表す、(4)は(3)で求めた運動方程式の両辺に速度をかけて時間で積分すると解けます。
(2)でありえない盆ミスしたせいで、その後が出来ませんでした。とりあえず方針とか本質的なことだけ書いて部分点稼ごうとしました。
(4)で運動方程式の本質を突いたことを書いたのと、面接でサイクロイド振り子が厳密な単振動になることの感動とか語ったので、ちょっとは救われた気がしました。
落ち着いて解けば普通に解ける問題なので、本番で出ても焦らないようにしましょう。
物理学2(電磁気)
選択しませんでした。他の人の話だとヤバかったらしいです。過渡現象?の問題だったと思います。
化学1(物理化学)
選択しませんでした。ミカエリスメンテン式の問題が出ていました。高専では生物系だったので解けるかも、と思い、物理の問題を見た時絶望して化学とどっちを解くか悩みました。結局物理を解きましたが、ボロボロだったのでちょっと後悔しています。笑
化学2(有機化学)
IUPAC名から構造を書く、水素結合と融点、電子求引性誘起効果による酸性度の違い、アミドの二重結合性による塩基性の違い、酒石酸の立体異性体、マクマリーによくある有機合成経路の問題が出ました。結構簡単でした。
筑波は本当に水素結合とか誘起効果による酸性度とか好きだなーって思いました。融点と分子間水素結合、分子内水素結合を真逆に答えてしまったので、面接のときに訂正しました。
1日目は昼過ぎくらいには試験が終わります。
帰りにすき家を食べて、問題を解き直して、面接対策をして寝ました。
2日目:面接
集合は9:30でした。
学力試験と同じ部屋で待ちます。面接は受験番号順なので、早く願書を提出した方が良いです。待ってる間携帯とか使えないので結構暇です。4部屋同時で、僕の受験番号は10でしたが、2番目に呼ばれてびっくりしました。主専攻で4部屋に分かれているのかな、と思います。
聞かれたことは、次のようです。
・志望動機
・受験番号、学校、名前
・併願校:合否に関係ないので教えてください、と言われました。
・両方受かったらどっちに合格するか
・大学に入ったら何を勉強したいか
・主専攻と選んだ理由:主専攻で最も変わるのは実験の内容なので、この実験がやりたい!と言いました。
・学力試験の出来はどうだったか:一日目が終わったときに解き直して関連事項とか色々調べるといいと思います。実際それでサイクロイド振り子の話をしました。
・TOEICは何回くらい受けたか、また、どんな勉強をしたか
・将来どういうことをしたいか:医薬品の合成
・博士は行くか
・何か質問はあるか:編入生の研究室配属について聞きました。東工大とかと違って、編入生が不利になるようなことはないそうです。
卒業研究についてはなにも聞かれなかったのでびっくりしました。結構対策したのに、笑
喋りに自信がなかったので専攻科の面接と筑波の面接で合わせて研究室の先生に5,6回くらい練習してもらいました。話し言葉が出てしまう癖があったので、それを直すのが大変でした。
本番は何聞かれるか分からないので、暗記したことをそのまま言うのではなく、思ったことを言いましょう。
まとめ・その他伝えたいこと
・試験は、一日目が私服、二日目がスーツが無難だと思います。
・試験中はトイレに行きたくなるので、そのときは迷わず行きましょう。当日も5~7人くらいトイレに行っていたと思います。僕は試験時間が削られるのが嫌で我慢したのですが、結局集中できず、ケアレスミスをしました。試験開始が10:00で集合が9:30だったのですが、9:30以降トイレに行けず、試験開始直前に行きました。
・筑波は広すぎて初めてだと絶対迷子になるので、下見とか必ずしましょう(僕は、オープンキャンパス、TOEIC、文化祭などで何回か来ました)。テニスコートの方に行くと20分くらい歩く羽目になります。
・睡眠は勉強よりも大事なので、睡眠を削ってまで勉強するのはあまり良くないです。削るのはyoutubeとかtwitterにしましょう。
・受験勉強はかなり大変ですが、編入してからの授業の方が難しいので、頑張ってください。